豆腐屋生まれの豆腐屋育ち
ミルクの代わりに豆乳で育ちました
昭和40年代半ば頃、東京の下町、北千住にあった「越後屋」という豆腐店で私は生まれ育ちました。父の造る豆腐は美味しいと評判が知れ渡り、行列のできる豆腐店だったそうです。今では懐かしい『ぴぃ〜ぷぅ〜』とラッパを吹いて行商もしていました。生まれた時から豆腐が日常にあることが当たり前であり、私は豆腐と共に育ちました。
産地によってお米の味が異なるように、大豆にも様々な種類があります。タンパク質の多いもの、甘みが強いもの、コクのあるもの、クセがないもの…作りたい味を想像しながら、毎日配合を見極めます。もちろんすべて国産大豆。その時期の一番いいもの、選りすぐりの国産大豆にとことんこだわります。
原材料は伊豆大島の自然。海水を塩田に流し、太陽と風で濃縮します。その後、釜で丁寧に炊き上げ、塩と分離したものが「海水にがり」です。イオン交換膜で抽出したにがりや、人工の凝固剤で固めた豆腐とは『ひと味もふた味も違う』自然の海水にがりにもとことんこだわった豆腐、その美味しさをぜひ伝えたい。